Sleeping Dogs – カンフー映画は好きだ

開発中や発売後にいろいろとゴタゴタがあったようだが、余計なことを考えず普通に遊んでみれば普通に面白いゲームである。特徴的なのは難易度が低いことと、ゲーム外に意識を向かないように工夫がしてあることか。難易度が低いというのはもちろんそのままの意味であるが、こなした仕事以上の満足感をプレイヤーに与えているのがうまい。直接的なキャラクター強化のほかに、強面のオッサンや美女がさり気なく褒めてくれるのが実に心地よいのだ。つまりダラダラと適当に遊んでいる割りに得られる報酬(見えないものも含めて)が多めなので、もう少し遊んでみようかなという意欲に繋がる。得られる報酬というものは低すぎて高すぎても意欲が減ってしまうため、本作ぐらいの調整が丁度良いように思う。

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プレイヤーの意識離れは人工的に防止できるか

確かカナダにゲームテスト専門の会社があったと思う。そこのテスターは普通にゲームをテストするだけでなく近頃は脳波を測定しながらテストを行うらしい。そのようなおぼろげな情報と本作の遊び心地にふと噛みあうものを感じたのだ。完全な憶測だが「異常なほどゲームが面白いわけではないのにもかかわらず意識が画面外にそれない」のは、ある種の小細工、つまりテスター達が飽きたと感じた脳波をもとにして意識や集中力が途切れやすい箇所を改修することで、プレイヤーの意識がずっと画面内にとどまるように作ったのではないか…ということだ。ゲームプレイの満足度は高いが内容を点数化すると、やはり80点前後なのである。

プレイヤー…というか私が飽きるのは、「乗り物を探す時」だ。本作は他の箱庭ゲームに比べて狭いこともあるが、復帰地点からの駐車場も近いし、タクシーも不自然なほどの数が似たタイミングで通りすぎていくので、乗り物を探す手間が少ない。目的地までのアクセスが容易になればなるほど、乗り物を探す段階で面倒な気分になりにくくなるのである。次に「乗り物に乗っている時」だ。そもそも私は箱庭ゲームでの運転が不要とすら考えているので、ほかであれば別のPCで作業をしながら車なりを動かしているのだが、本作では運転を始めるとすぐに『クリーン運転を心がけましょう』と画面に表示される。小さな損失を嫌いその通りに運転するプレイヤーもいれば、逆に中学生的な感性で、な~にがクリーン運転じゃい!そんなのは現実でやってるわ!せっかくのビデオゲームなんだからこうやって(キキィーグシャァ-キャァー)気まぐれに一般人を轢き殺してダーティ運転するんじゃあ!などと反抗的な感情も湧くだろうから、どちらにしろプレイヤーの意識はゲーム外にそれないように思う。そして「ミッションが一段落した時」も意識と集中力が大きく途切れるが、次の事案が主人公のスマートフォンへメールとして届くので、不快にならないよう次にやることが頭に入っていく。その辺りの事柄が実にうまく絡み合っていて、ゆるくダラダラと遊びやすいゲームになっているのだ。面白すぎて時間を忘れるという類のゲームではないが、時間を忘れるのが主目的であり、そこそこの面白さを求めるのであれば本作はそれにうってつけと言えるかもしれない。

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◆格闘モーションがいちいち力強く格好よい。出血描写もいい感じ

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◆操作する車両には単純に車両をぶつけるだけではない、威力の高い「体当たり攻撃」が存在するため、警察車両が駆けつけてきても容易に撃退でき、それほど脅威にはならない。プレイヤー(犯罪者)を律するために警察の締め付けが強い事自体はリアルであるが、それが面白いかはやはり別問題なのだ。GTA4とか

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◆カジキの上顎に土手っ腹を突き刺してフィニッシュ。ところどころにコミカルだったりシュールな要素がある

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◆強烈な暴力描写が好きならば、本作はかなりオススメである

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◆繁華街でグレネードランチャーをぶっ放せるというのは、大きく反社会的であり興奮する

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