Wolfram – 玄人向け(9)

Wolfenstein 3Dを3Dグラフィックでリメイクした本作。難易度Easyにて全10マップ(Episode1)を一周。基本的には3D空間に変わっただけだが、敵の反応速度が上がっておりガチンコの撃ちあいになると基本的に相手の攻撃が先にヒットする。被ダメ時は照準がブレて初弾が当たらなくなるため、高難易度のCoDのようなプレイ感覚だ。Easyでは被ダメが少ないため何とかシューターとして遊べるが、Normal以上はかなり難しい。製作者はステルスを推奨しているようだが…。


◆グラフィックの向上は素直に喜べるが、移動速度が若干遅くなっておりテンポが悪くなった。一番気になったのはマップ表示がないことか。純粋すぎる原作リスペクトは低下した移動速度と相まって気分を盛り下げてくれる

Wolfenstein: The Old Blood – 銃とパイプで解決(8)

難易度Normalで軽く一周。余計な要素が多かった本編The New Orderに比べ、かなりスッキリとした印象で、ステルスとドンパチ戦闘が交互にやってくるようなシンプルなFPS。そのステルスも面倒になったら無視してゴリ押し戦闘できるので、プレイヤーの好きなスタイルで進めばヨシ。プレイ感覚がReturn to Castle Wolfenstein(2001)に近くて好みだ。このような本編の資源を使った安価なゲームは、無駄がそぎ落とされ、核の部分だけを味わいやすくて良い。比較としては適切かは分からないが、窮屈だったFar Cry 3の良いところを抽出しガワを被せたFar Cry 3: Blood Dragonとの関係が頭に浮かぶ。


◆射撃感は良好。とにかく撃ちまくって気持ちよくなろう


◆武器として使うのはもちろん、ドアを破壊したり、壁を登ったり、収納された梯子を下ろしたり、と全編においてパイプが大活躍。というか、パイプでどうにかなる苦難しか訪れないというか

Wolfenstein II: The New Colossus – ステージクリア型にして(7)

難易度Hardでクリア。戦闘だけ見れば65点から80点の出来。これはプレイスタイルや後半のアップグレード選択にもよるので一概には言えないが、面白い要素はいくつかある。グレードアップを重ねたショックハンマー、敵兵士を燃やしたり溶かしたり薙ぎ倒したりできるヘビーウェポン、従来の瞬間的高火力や戦闘継続性の増加のほか片方の武器の弱点を補助して柔軟に立ち回れるデュアル装備、ドラム缶やカンプピストーレによる強力で豊かな表現の爆発などだ。

ストーリーは時間の無駄としか思えなかった。BF5ほど酷くはないしろポリコレ棒でぶっ叩かれたのか、なにこれ???といった感じ。せっかく戦闘で遊べるゲームなのに、ムービーが挟まると興ざめする。配慮したい(?)層といくらでも貶めてもいい(?)ナチスとの差がひどすぎて、歪な価値観も垣間見える。ごく自然にこの脚本を書いた(orゴーサインを出した)なら思想によるものと受け取るが、圧力を感じてこうなったというなら残念だ。次回はWolfensteinシリーズに期待しているプレイヤーの方に目を向け、素直に楽しませてくれるようなストーリーを・・・あ、いや、なんならもうストーリーはいらない。RtCW形式でよろ。


◆体力とアーマーを白いアイコンと小さな文字で表示する腐ったHUD。視野性が悪すぎて乱戦時に体力のチェックがしづらい。激しい強制戦闘の多い本作でこの仕様は理解できない


◆コントラストを用いた大変見やすい体力表示の例。ダメージを受けるたびに中央のB.J. Blazkowiczが吐血したり、鼻血を出して死にそうな顔になっていくのも直感的に危機の程度を感じ取れる

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Brutal Wolfenstein 3D – ピリ辛調味料(6)

ゲーム性だけを見ればWolfenstein 3D(1992)はかなり退屈なゲームだ。如何にして死なないようダメージを抑えるか、つまりは丁寧にクリアリングするだけなのである。後年になればクリアリング(又は偵察)の成功が直接的な楽しさに結びつく高度なステルスゲームも登場するが、残念ながらWolf3Dはそこまでの粋に達していない。『Brutal Wolfenstein 3D』はそんな退屈なゲームに暴力的な快楽と理不尽な死を与えてくれるModで、撃って愉しく興奮できるゲームへ変えることができる。過剰な視覚的褒美を含めた総合Mod、又はファンがやり直すための動機づけの存在としてはなかなか評価できるが、もとがWolf3Dということもあり、どうしてもBrutal Doomのように強くお勧めできるアクションシューターとはなっていない。

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◆残虐に敵を倒すとブルータルボーナスとしてヘルスが5ポイント加算される。調子に乗るとすぐにヘルスが溶けるので要所々々で意識しておくと生存率が上がる

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◆お決まりのハンドサイン。High Resolution Packを導入するとゲーム内の雰囲気が結構変わる

RealRTCW – 高難易度が正解か(5)

RealRTCW – Realism Modはその名の通り、Return To Castle Wolfensteinのゲームプレイをリアルに寄せたバランス調整Modだ。既存武器の微調整、AIの挙動、多数の新規モデル、音の定位改善、経験者に向けた各難易度の差別化、などかなり大規模に変更が加えられている。が、今回私が難易度Don’t hurt me(本ModでのNormal)をプレイした限りではVanilla Return To Castle WolfensteinのBring’em on(Normal)との違いを感じられなかった。

全体的に弾が当たりやすくなり、AIの挙動が幾分か素直になったような気がするので、単純に簡単になっているような感じはするのだが、リプレイということを差し引くと安易に断言はできない。とりあえずDon’t hurt meを選択する価値が低いことだけは分かった。バランス調整Modを導入したとはいえ新鮮なゲームプレイというよりかは、どのようなゲームかを思い出すのがリプレイの目的だったので、大きな落胆は無いが多少残念であったというのが素直な感想だ。改造されたゲームエンジン(ioQuake3の派生版ioRTCW)のおかげで音の定位が大きく向上した分だけ、通常のゲームプレイはもちろん、高難易度でのステルスプレイも面白くなっているはずなので、興味があれば往年のファンは試してみてほしい(雑で無責任な締め)。

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◆無音で梯子を登れるというのは古典的でよろしい。プレイヤーをとても気持ちよくさせてくれる

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◆ナチスやオカルトの二大要素に隠れ気味だが、美女も結構な数登場する。おまけのHD Textures Packを導入し、彼女たちをさらに美人にしてあげよう(?)

以下ネタバレありなスクリーンショット集

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