Travail – Quakeの敵キャラって強かったのね(13)

2007年公開のTravailは全15Levelで構成された大規模で難しめのシングルマップ集だ。今回は難易度Normalを選んだものの、その難しさは本編Quake難易度HardのEpisode4と同等かそれ以上であった。そもそもQuakeの敵キャラクターはDOOMに比べて強力に作られているが、idが1996年当時プレイヤーは3D空間に慣れていないという前提でレベルデザインを考えていたからなのか、相変わらずDOOMと似た平面での戦闘がメインになっていることもあり、その敵キャラの凶悪さがまったく性能が発揮されていなかったのだ。

しかし、本Modはこれでもかというぐらい3D描画特有の高さ(y軸)が強調されていて、平面での戦闘が大幅に減らされている。つまり、基本的に頭上から襲ってくる敵と不利な状況で戦わなければいけないのだ。そのため、Ogreは本編同様グレネードを落としまくってくるし、視界の広いEnforcerも好き放題撃ってくるし、固いDeath Knightにもダブルバレルショットガンのクリーンヒットが狙いにくい。また、遮蔽物がない戦闘状況も多くなっており、ダッシュと肉眼での避けが重要な状況下で誘導弾を撃つVoreや必中攻撃を持つShamblerらが何の前触れもなく急に湧いて出てくるあたりもかなり狂気めいていてエキサイティングである。ついでに言うと、1Levelに登場する敵が100匹を超えることも多く、全体的にとても激しい。ただ、登場する敵の数が多い割にダレた気分にならないし、難しい中にも敵をうまく処理していく面白さがしっかりと感じられるので、非常に出来の良いシングルマップ集だと思う。

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◆見えにくいかもしれないが、Episode2に登場するダブルバレルショットガン枠の「Riot-Controller」。ドン・ドンと重い音で二回ショットガンを放つのが特徴で、リコイル制御がしやすく、二発とも当てた場合の威力はダブルバレルショットガンの1.5倍から2倍といったところ。とても頼れる武器となっており、これがあったからかEpisode2が一番楽しめた

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◆蜘蛛型の新敵Archenids。当然のごとく毒を持っているので、触られると毒状態となり画面が真っ赤になる。毒が厄介なので早めにグレネード二発で確殺したいところだが、下手にケチって別の武器を使ってしまうと、いつの間にか囲まれてしまい死亡コース

以下、ネタバレありのスクリーンショット集

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Abyss of Pandemonium – 走って撃ってハッピー(12)

本作はQuake(1996)のTotal Conversionとして1998年に発売されたが、現在ではそのRetail版が流通していないようなので、多くの修正とともにフリーで公開されたものをModdbQuake “Epsilon” BuildsなどからDownloadしてDarkPlacesなどのSource portでプレイするのが現実的かつ快適だろう。Total Conversionと言っても新しい武器や敵が増えたり、既存の敵の強化とSkinが変更されているぐらいで、基本的にはQuakeのままであり、公式Mission Packのようなノリで遊べる。難易度は少し高くなっているが、追加された武器をうまく使いこなせるようになれば、それほどそれほど困る状況にはならないはずだ。全10ステージのどれもがシューターの楽しさを邪魔することなくうまく作られているので、かなりオススメ。

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◆強力な力でロケット弾を飛ばす新武器Rocket Powered Impaler。撃った後の反動や放たれた弾が放物線を描くあたりがPainkillerのStake Gunとよく似ている。過去にPeopleCanFlyがQuakeに影響を受けてPainkillerを開発していたと言っていたし、本作による影響はひときわ大きかったのではないだろうか?と勝手な憶測

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Retail版のカバーにも描かれているブサイクなボスBlud。弱そうな見た目とは裏腹に素早い上にとても体力が多いので、撃ち殺し甲斐がある

Progetto Genoma – 倒しても倒してもStrogg(11)

Progetto GenomaはMark Shanによって2000年に公開されたQuake2のシングルプレイMAP集だ。特徴的なのは出現する敵の数で、全12MAP中に合計1100体を超えるものとなっている。これは近年では珍しいというか懐かしいというか、とにかく沢山の敵を出すのが正義だと思っているPainkiller Redemptionのノリに近い。また、出現する敵の数に対して取得できる弾薬数が控えめになっており、効率よく敵を倒さねばならないところも似ているように思う。もう一つの大きな特徴としてHornetTank Bossなどの中ボスが二体同時に出現することもあり、ゲーム全体を通して馬鹿っぽさと面倒くささが入り混じっている。

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◆ガンナーの5.6体同時出現は当たり前、後ろにグラディエーターが付いていることも

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◆タンク4体を相手にとてつもなくQuad Damageが欲しくなるものの、結局最後まで発見することができなかった。ということでシークレットとしてどこかに隠されているのではないかと考えられるが、他の補助アイテムも見つけられなかったことを考慮すると、実はアイテムなど存在していなくて全てガチンコで倒せということなのかもしれない。

Quake – 難易度Hardで二周目(10)

久しぶりにQuakeをプレイして気が付いたのは、うまく立ち回ればダメージを受けないということだ。それはEpisode 1と2ではアーマーが削れる程度のダメージで済み、Episode 3でようやく本体がダメージを受け始めて回復剤が欲しくなるといった具合で非常にうまく出来ている。id製らしく射撃感とスピード感も良く、今現在でも優れたシューターと言えよう。

ただ、Episode 4だけは好きになれない。ビョンビョン飛んでプレイヤーと自爆しようとするとSpawnが出現するようになるからだ。飛んでくる前に爆風で吹き飛ばしたり、無理せず引いてみるなどの対処法もあるのだが、FPSに慣れていない頃に苦しめられた思い出があるからか、いまだに嫌いなのが治らない。また、Quad Damageがやけに多く設置されているのも気になった。数分に一回の割合でダメージ4倍状態になれるというのは、ありがたいを通り越しお祭り状態であり、大雑把な印象だ。しかしながら、それでもそれなりに面白く遊べるのがQuakeの凄いところなのかもしれない。

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◆ゲームに慣れるとShamblerが可愛く見えてくる

Quake IV – 難易度Hardで二周目(9)

難易度Hard相当だと思われるLieutenantで二周目をクリア。MAPが狭い上に移動速度も遅かったが、それ以上に武器の作りこみが優れていて射撃感が良かったので、目の前のストログ達を倒すだけで、なかなか爽快な気分を味わえた。ただ、オブジェクト達成後に進んできた道を「用が済んだから戻って」と往復させられる回数が多くて、ストーリー演出というよりも単なる手抜きのようでウンザリしてしまった。Quake2の時はプレイヤーが単独潜入していたので、オブジェクト達成のために行ったり来たりするのが不自然ではなかったのだが。

  • Hardにおける戦闘バランスは良好だが、自爆ダメージが不自然に大きかった
  • 飛ばせない会話シーンが頻繁にあり、うざったい
  • 辺りを見回すとかなりの数の弾薬と回復剤が見つかる
  • ショットガンは発砲音の割に威力が低いように感じる
  • SentryやIron Maidenなどの過去作の敵キャラを出してくれたのは素直に嬉しい

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◆高画質化ModのSikkmodはQuake4本来のグラフィックを覚えていて、尚且つまめな人ではないと使いこなせそうにない。HDRやBloomをいじると室内と野外で光の見え方が変わってしまうので、いちいち設定を変えないと汚く見えてしまうのだ。一応Color GradingだけをOnにすることで比較的にオールマイティーに対応できるのだが、時たま不自然に見えることも。ロケーションが豊富な分だけDOOM3よりもグラフィック強化Modが使いにくい。