Scythe – この辺りの難易度が限界かな(28)

2003年に公開されTop 100 WADs of All Timeにも選ばれた有名Megawad「Scythe」をやってみた。どうやら後半から難しくなるという話なので、難易度はHurt me plentyに設定。使用したSource PortはDoomsday Engine(2D描画)だ。ゲーム序盤は難易度的にかなり低いものであったが、挑戦を求めて本Wadを選んだわけではないので気にしないことに。特徴的なのはMapの狭さと短さで、適度に激しい戦闘をくぐり抜けると、すぐにステージクリアへと導かれる様は実にテンポが良く、爽快でストレートな楽しさを感じる。夢中になって遊んでいると、MAP18: M/S Futuraをスタートしたところでふと違和感を感じた。どこかで聞いたBGMが鳴っているのだ。ああ、そうだFinal Fantasy VIIの星に選ばれし者だ。セフィロスのテーマを背景にマスターマインドにロケットランチャーに撃ち込む戦闘はまったくと言っていいほど釣り合いがとれておらず、そのチグハグさが不思議な笑うを誘う。

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そしてMAP21からThird Episodeに突入するわけだが、今までプレイさせてきたMAP20までの低難易度は一体何だったのかと突っ込みたくなるほどの高難易度のMAPが続く。前半と後半の難易度の差は完全にギャグの領域だ。特にMAP26: Fearはサイバーデーモン7体から睨まれている状態でスタートするあたりはまったくもって「恐怖」としかいいようがない。MAP28: Run From Itは全力疾走しなければシステムに殺されてしまう強制スクロールのような一風変わった代物。FPSをやっているはずなのに撃つ必要がなく、やたらとシビアなコース取りをさせられる超高速強制スクロールはもはやレースゲームとさえ言える。MAP29: Hell on Earthはこれまたそのまんま「地獄」のようなMAPで、気の休まることなく、強敵の相手をし続けなければならない。が、不思議と嫌ではないのだ。むしろ楽しい。難しいなかにも『しっかりと攻略してやったぞ』という喜びを感じられる。馬鹿みたいにサイバーデーモンからバロンまでを大量に出現させておきながら、プレイヤーに面白さを感じさせるのは並大抵のことではないはずだ。製作者のErik Almにはとてつもない才能とセンスを感じる。

地獄のMAP29をクリアした時点で既にヘトヘトになっていたのだが、MAP30: Fire and Iceはモンスター出現数750を超える常軌を逸した本当の地獄だった。もう少し詳しく書けば、ヘルナイトより弱いモンスターはほとんど出てこないので、重量級のモンスターが700体出てくると言い換えてもいい。一番の問題は圧倒的に足りない弾薬を「どこでどう」使うかである。MAPがあまりにも巨大で変則的なので通常のMAPと異なり、敵の出現前や出現後に弾薬が確実に置いてあるとは限らないのだ。そこで悩んでしまうのだ「今消費しても良いのかと」。この辺りの感覚は現実(リアル)やDeus Ex(2000)にかなり近い。その時に行った判断が良かったのか悪かったのか、時間が経過しないと分からないということだ。結局、悩みに悩みながら進めた結果、弾薬切れ寸前で敵の大群が押しかけてクライアントのDoomsday Engineがクラッシュ。その後、多少勝手を理解した再プレイではパズルを解くように無敵をうまく利用しながらゲームを進められたが…このMAPだけで攻略に2時間ほどかかったのではないだろう?世の中にはもっと難しいPWADが数多くあるらしいが、これ以上難しいものはもうやる気が起きない。…というか、今は当分DOOMを見たくない。楽しめたが、お腹いっぱいである。

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◆最初は簡単、最後は地獄

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◆大量のホッピシ!BFGで気持ち良く片付けられると思ったら大間違い。そんな弾薬の余裕は無い

Russian Overkill – 数値を弄ってもこうはならんぞ(27)

超強力な武器とアイテムを追加するMod「Russian Overkill」をDOOM2本編にて難易度A struggle for freedom(敵Health6倍のUltra-Violence相当)でクリア。その超強力な武器がどれほど超強力なのかと言うと、初期ピストル(武器スロット2)でさえArch Vileまで余裕で対処できるほどで、その次に強いショットガン(武器スロット3)でも持てば、前述したピストルの5倍の速度で敵を粉砕できるだろう。その上、ヘルスとアーマーの上限が取っ払われているので(HUDを見る限り8か9桁まである)、ゲーム後半にはヘルスが50000、アーマーが30000までに増えてしまうのである。圧倒的な火力と崩れない体力を持てるこのModはまさに”やり過ぎ”と言えるだろう。

では、そんなやり過ぎな本Modが楽しいのかと問われると…実に楽しく愉快で爽快で安らぐのだ。そもそも”ゲームバランスが悪い”ということは、ある特定の突き抜けた要素がゲームの根幹部分を揺るがしている、あるいは破壊している状態を指しているだけであって、その状態が必ずしもつまらないとは言えないのである。むしろ、常識的な範囲でバランスが壊れている(変な言葉だが)ほどつまらないように感じ、プレイヤーの常識や想定をはるか上いくようなぶっ飛んだ作りにまでなってくると、不思議とバカバカしく思え、頭ではなく腹の底から楽しくなってくるのではないだろうか。…と、ここまで言っておいてなんなのだが、このModを楽しめるというのは、良い歳をして蟻を踏みつけて喜んだり、Postal 2 AWPやFallout 3でMini-Nuke Launcherを一般人に撃ちこんでニヤニヤしたり、近年のゲームの武器バランスが整いすぎていることに不満を持っていたり、ジョーク的高難易度WADを攻略したいといった、かなり特殊な人間だけなんじゃないかとも思う。

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2002: A Doom Odyssey – Risenを使ってみた(26)

2002: A Doom Odysseyはその名の通り2002年に公開されたUltimade DoomのMegawadで、LevelとSoundの大部分をPaul Corfiatis一人が担当しているからか、非常に統一感がありMegawadというより製品版のような印象。全体を通して質の高いPWADなので、Episode4: Thy Flesh Consumedが好きなプレイヤーに合いそうだ。難易度Hurt me plentyでプレイした限りだとやや簡単といった感じで、簡単すぎないところが上手く出来ていると思う。少し疲れたのは、Baron of Hellをショットガンで倒さなければいけない状況が多いことか。同士討ちを狙うには狭いMAPばかりだったので、正面から戦うしかないのだろう。Ultra-Violenceでプレイするならば、シークレットを見つけて火力を確保しないと敵の進撃をしのげそうにない。

Risen3Dでの心配事

いつもはGzdoomでプレイしているのだが、気まぐれで3Dモデルの表示可能なRisen3Dを使ってみた。3DモデルのDOOMを遊ぶ上での心配事は、うまく敵の脇をすり抜けられるかどうかだ。本来のDOOMの敵はスプライト表示なのだが、これをポリゴンに置き換えるということは敵キャラの奥行き(体積)が増えることを意味し、ダッシュして敵の脇をすり抜けようとした際に引っかかりやすくなってしまうのではないかと不安だった。案の定、実際のプレイでは見事に敵の体に引っかかってしまったので、Risenでは避け行動が重要な高難易度には向いていないようだ。ただ、3Dエンジンを活かした高いグラフィックや優れた音の定位置での豊かなプレイ感覚は捨てがたいので、のんびりとHurt me plentyで遊ぶ際にはまた使ってみようと思う。

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Brutal PSX Doom[Master Levels] – Full Ultra Violence(25)

PlayStation版DOOMのMaster Levels for Doom IIをBrutal Doomで遊んでみた。Master Levelsは三周目ということもあり道に迷うこともなくスムーズに進められたが、敵の配置がPlayStation版と変わらないため、やや物足りない感じであった。ただ、物足りないというのはBaronやRevenantなどの強敵が出現しないという意味であって、戦闘難易度が低いということではない。Brutalではショットガンゾンビが強めということもあって、Master Levels 特有の面倒な配置と組み合わさり、なかなか気の抜けないものとなっている。強敵の不在でロケットランチャーやプラズマガンを使う機会は少なかったものの、ノーマルショットガンで敵をなぎ倒していく感触が実に爽快で、愉快だった。

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Freedoom: Phase 2 – Real Guns Hardcoreプラス(24)

DOOMと類似したMAP構成がとても偽物臭く、オリジナルDOOMとどう変わっているのかを見て回るのが楽しいので、Freedoom: Phase 1に続き、Phase 2(DOOM2に類似)もやってみることにした。ただ、Phase 1をプレイした経験からダブルバレルショットガンを撃ちまくるだけの単調な展開が予想できたので、武器とバランスを変更するReal Guns Hardcoreも入れてみた。前回Real Guns Hardcoreで遊んだ時はゲームを高難易度化させることを知らずに苦労したので、今回はしっかりと攻略するため、Stopping Power(弾丸の威力強化)、One Man Army(弾薬所持数、武器所持数の増加)、Commando(近接攻撃の強化)と遊び要素のないParkを選択。難易度は前回と同様のMediumに設定。

ざっと一周してみたところ、DOOM2よりもやや広いくらいの凡MAPに沢山の敵が出てくるだけといった印象。時たまオリジナルDOOM2によく似た場所を見つけると嬉しい気分になるが、逆に言うとそれだけだった。

  • MAP18辺りからヒネリのないストレートなMAP設計に切り替わっていく
  • 水中に潜れる要素は斬新だが、視界が狭まるばかりでプレイに支障あり
  • 登れる壁も見たことがない要素だった。面白さには結びついていなかったが

一方のReal Guns Hardcoreを入れた影響とはいうと、強力な敵がうんざりするほど容赦なく襲ってくるので、骨があって楽しめるというよりは疲労感が先にくる感じだ。改善したPark選択は上手くいったものの、圧倒的な敵の襲撃を前に、元々設計されているであろうCall of Dutyの高難易度のような『自動体力回復を前提とした撃ち合い』が前面に出てきてしまい、DOOMを遊んでいる感覚が吹き飛び、あまり楽しめなかった。

  • AK47は威力と燃費が優秀なので、ずっと持っておきたい
  • AA12は大型の敵をねじ伏せるのに役立つので、持っていると安心
  • 前述した二つの強力な銃を持って『突撃』しなければならない状況が多すぎる
  • Stopping Powerが強力で必須Parkのように感じた。(高難易度では違うかも)
  • MAP27の戦闘がキツかった。中型や大型や透明の敵が多く、400匹近く出現する

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◆頻繁に起こる『足を止めてのガチンコ撃ち合い』はゲーム性皆無

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◆大型化の弊害によるスタック