Chernobyl Underground – ナノスーツ着ちゃいました(3)

Chernobyl Undergroundは過去にバリューFPSとして制作したChernobyl Terrorist AttackとChernobyl Commandoをベースに特殊能力(ほとんどCrysisのNanosuit)を追加したゲームだ。しかしながら、過去作からゲーム全体が殆ど変わっておらず、せっかく追加した特殊能力は効果が弱く、Normalをクリアした限り恩恵が少なく、楽しさに結びついているようには思えなかった。簡単だった難易度がより簡単になっているのが致命的で、特殊能力を使うことで大きく有利になる敵を追加するような工夫が欲しかった。

特殊能力は全部で4つあり、アーマー、敵の居場所表示、ガンマを上げる、バレットタイムとなっている。この内使いやすいのは前者の二つで、アーマーは緊急回避として、敵の居場所表示は単純に強力。後者のガンマを上げる機能は、敵の居場所表示の下位互換という感じで存在理由が見当たらない。バレットタイム自体の性能は悪くないが、敵AIが機敏というわけでもないので必要性をほとんど感じなかった。

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◆敵の居場所が分かるのは、良くも悪くも強すぎる印象

戦闘について

  • 基本的にSMGとARで中距離から遠距離で撃ち合い。弾薬もこの二つしか拾えない
  • ヘッドショット成功時には$200貰える、特別な意味は無いが嬉しい。ヘッド判定は肩まで
  • ショットガンは中距離からでも高威力で爽快。アーマー機能を利用して突撃可能
  • グレネードランチャーに限らず爆発物の範囲が広めで、同時に倒せるのが気持ち良い
  • スコープの付いてるライフルは万能性能で、遠くの敵を簡単に掃除できる

どの武器も特徴があり撃っていて楽しいのだが、弾薬補給がわかりにくいのが気になった。MAPをくまなく探すような必要はないが、印もなく、鈍く光っているだけの弾薬BOXは非常に見逃しやすい。あまりに武器の自由がなく、オカシイと思った後半からはいくつか見つけることができたが、もう少し派手に光らせてもいいと思う。これにガンマを上げる能力を使うのだろうか?

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◆咄嗟にアーマーを作動できれば、ほとんど死ぬことはないだろう

  • HUDのバイザー表示、足音は気に入っている
  • 過去作にあったミリタリー色は消えている
  • 半端じゃないロード時間の長さと、ゲームボリュームの短さ。

Chernobyl Terrorist Attackよりは面白いが、Chernobyl Commandoからは悪くなっている(同じ人間がデザインしているとは思えないが)。ストレートに言うと、過去作をやっている人にはもちろん、新しく遊びたい人にもオススメできない。Crysisが面白かったのはFar Cryというよく出来た基礎があったからであって、平凡なゲームに万能感溢れる特殊能力を付けても良くはならないよなぁというのが率直な感想だ。

Chernobyl Commando – 優秀なB級FPSに大変身(2)

前作Chernobyl Terrorist Attack をしっかりと整えてきたB級FPS。クリアした感想は、前作の悪い点をユーザーの言うとおり全部直しましたよという感じ。普段はAAA級FPSしか遊ばないユーザーでも多少楽しめるぐらいには整っている。グラフィックの見た目は向上していないが、幾分か最適化は進んでいると思う。Fast Renderingの設定ではかなり安定していた。

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弾薬補給が少なく実質アサルトライフル以外は使えなかった点は前作から改善された。単純に所持できる弾薬が増えたし、敵が柔らかくなっているので消耗も少なくなっているので手詰まりになりにくくなった。他に体力の自動回復速度が早くなったので、全体的にゲームのスピードが上がったように感じる。なかなか爽快だ。また、ARを持ったままスナイパーライフルを三つ所持できるようになり、戦闘難易度は自動回復速度と相まって、相当低くなった。しかもSRの弾薬は共通ではなく、各150発撃てるので450回の狙撃が可能だ。

「遊びにくいC級FPS」が「遊びやすいB級FPSになった」

脳みそを空っぽにして目の前の敵を撃ち殺せばいいゲームのお手本。とても素晴らしい出来上がり・・・なのだが、あまりにプレイヤーへのストレスを排除してしまったため、浅い面白さになってしまっているのが少し残念だ。

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◆敵のグループを殲滅するとスローになる演出が入る。戦闘が終わったと分かり、緊張がほぐれる瞬間だ

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◆機銃を操作する場面は比較的難しくなっているのは、通常戦闘の簡単さとの兼ね合いか

Chernobyl Terrorist Attack – 10年前のバリューFPS(1)

グラフィックと射撃感がOrion Games製作のバリューゲームに良く似ていると思ったのだが、実際に作っているのはSildenという欧州の会社。ゲームエンジンは自社製のArgon(Ver4)で最高画質にすると、そこそこ綺麗になるものの、異常に重くなってしまうので、ゲームを楽しむつもりならば最低画質が良いだろう。

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目的地への案内は親切。迷うことはないが、道がデコボコしていて引っかかるので少しストレスを感じる。武器は7.8種類あるのだが補充が限られているので、実質的に精度の悪いAK(アサルトライフル)しか使えない。その銃で相手にするのはAKを5.6発くらっても平気な顔をしているサイボーグのような奴らだ。加えて千里眼と超AIMを完備している昔ながらの敵AIを搭載しており、とても人間を相手に銃撃戦をやっているように気になれない。受けるダメージが少ないのだけ救いだ。

一本道以下

「A地点で戦闘開始→B地点に移動して戦闘→C地点に移動して戦闘→A地点に戻って再び戦闘」このようにMAP上をぐるぐる回らせてトリガー湧きで敵を出現させるだけという展開が多く、ゲームバランス以前の開発側の手抜きが目立つ。これは一本道よりもタチが悪く、いくらバリューゲームといってもやってはいけないラインだと思うのだが、理不尽な即死もなかったし、テンポも標準的だったので、クリアしてみるとそんなに悪くなかったという気がする。

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◆馬鹿みたいに弾薬を消費して敵のグループを殲滅するのがかなり疲れる、このゲームならではの疲労感だ

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◆狙撃パートは遠くの敵をマーキングしてくれるので親切を通りすぎて、作業になってしまっている。また、スナイパーライフルは全編を通して威力と精度が揃った最強の武器だ