Sonic the Hedgehog 4: Episode I – 触れやすい(7)

ダウンロード販売専用ゲームとして安価に配信された本作。メガドライブ版に準じた作りになっており直感的にソニックが操作できるので、昔ながらのアクションゲームを気軽に遊びたいプレイヤーにはお勧めできる。また、ホーミングアタック(1998年以降の特技)が追加されたことにより、スピード感を感じ取りやすく、容易に爽快な気分に浸ることが可能になった。

この客観的に優れた要素は反面、過去作を知っているプレイヤーからするとゲームを簡単にしすぎているきらいがあり、やや複雑なものを感じる。良いゲームではあるが、シリーズ未プレイ者の方が得られる満足感が高いように思う。が、それでいいのだ。ソニックシリーズは複雑になりすぎため、このような原点回避は必要なのである。安価に、そして手軽に触れてもらわなければどんどんプレイヤー数が先細りしてしまうからだ。SEGAの判断は正しい。


◆何も考えずとにかく走って速度に酔えばいいのだ


◆視界が悪くスピードが出せない真逆のデザインも新鮮でいい

Sonic CD – 突っ走れればそれでいい(6)

本作は障害物が少ない。ソニック・ザ・ヘッジホッグ1、2から比べるとソニックを走らせたままゴールまで行けるステージが明らかに増え、全力疾走していたら、いつの間にかクリアしていたという展開も大いにありうる。これにはむしろプレイヤー側が拍子抜けしてしまうほどで、ステージを十分に遊べているか不安に思うかもしれない。

そんな時はスロット式のセーブシステムから分かるように、リプレイで補完してくれということなのだろう。せっかちなプレイヤーにはスピードに酔えるプレイスタイルを許しながらも、ステージの景色が変わる未来と過去を行き来できるタイムワープ要素を入れ、じっくりと遊びたいプレイヤーと共にリプレイしたくなる動機も作ってあるのが上手だ。ゆるいシステムを構築しプレイヤーを縛らない点に好感が持てる。


◆前作、前々作と違い、高所から思いっきり下降前進しても死ぬ機会が減った。これによりスピードを落とず、走ったまま気持ちよく遊べる


◆自称ガールフレンドのエミー登場。ドット絵から滲み出る彼女のチャーミングさ

Sonic the Hedgehog 3 – 遊びやすくなった続編(5)

ナンバリングが3なのに4作目の本作。多分一兆回ぐらいツッこまれている。最も印象的だったのはグラフィック技術だろうか。同時期に覇権を争っていたスーパーファミコンではまず不可能であろう凝った演出やエフェクト、はたまた目の錯覚を利用したかのような奥行きを感じられる視覚的刺激は、94年当時最高峰のものであったろう。

正直それらがゲーム性に結びついているとは言いがたいのだが、SEGAの気合が現在でも容易にうかがい知れる。ゲーム全体としては2に比べ易しくなったというか、お遊びギミックや謎解き成分が増え、アクションアドヴェンチャー色が強くなった。難易度以外完璧に近かった2から一歩完成度は下がったようにも思うが、これは好みの問題かもしれない。難易度が下がった分だけ手に取りやすく、ソニックシリーズをキャラゲーとして楽しむプレイヤーには本作の方が心にかなうのではないだろうか。


◆表現力上昇のおかげか、アニメキャラに近くなってきたソニック


◆シリーズ初登場の赤いハリモグラ。想像していたよりもソニックとの絡み(妨害)が地味だった

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Sacred 3 – セラフィムのイージーをソロクリア(9)

Co-op推奨ゲームをソロプレイでクリアしたのであまり参考にはならないと思うが、一応書き留めておく。選択キャラクターはセラフィム。初代SacredからCitadelまでプレイした経験からセラフィムを選んでおけば間違いないという確信があった。実際クリア後にも困った場面が無く、やはり弱点の少ないセラフィムで良かったと満足感があり、狙った通りの結果となった。難易度はとりあえずNormalを選んでみたが、Co-op推奨は伊達ではなく、一時間あたりで無理だと判断しEasyへ下げた。主な理由はダウン中に無敵時間が設定されていないことで、1対10という頻繁に起こる圧倒的な数の暴力の前にダウン=行動不能状態中にダメージがどんどん蓄積していくのに希望が持てなかった。Easyに変更後は気を抜いても大丈夫だが、気を抜きすぎると死ぬといった感じのヌルめのアクションゲームへと変わったので、真夏の茹った脳みそで適当に遊ぶには丁度良かったように思う。

本作はキャラカスタマイズ機能が貧弱だ。ビルドではなくカスタマイズという単語を使っているあたりで、すでにハックアンドスラッシュ(RPG)のコアなファンは首をかしげるだろうと思うが、私のように強い武器を拾ったら喜んで取り替えるだけの単純なゲーマーには本作はそれほど悪くない暇つぶしに思える。この言い方もどうかと思うが…例えばA、B、Cと特性の違う三つの剣が存在し、それが自動的かつ順番にレベルアップする。Aの剣がLv2になった次にはBがLv2、次にCといった具合だ。リーチの長いC剣が気に入っていたとしても、レベルの上がった攻撃力重視のA剣がリーチの短さを吹っ飛ばすほど強力になったりもするので、基本的にはゲーム側が勝手にレベル(性能)を上げた武器を順に選びがち。このプレイヤーを誘導するようなカスタマイズシステムが完全にキャラビルドとは真逆の”反強制”となっているわけだが、一切の疑問を持たず、適当に敵をぶん殴れればいいやと割り切れるプレイヤーには悪くないのかもしれない。Nvidiaのビデオカードを使っていればPhysXで敵が派手に吹っ飛ぶので視覚的にも優れていて、アクションゲームとしてなかなか評価できる。

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◆ソロプレイで大事なのは広範囲攻撃の確保だ

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◆絶望のハンドルイベント。①ハンドルを回すと敵が出現し邪魔をする②一定時間たつと再度ハンドルが回せるようなる③再度回すと同じように敵が出現しそれに耐える④計6回ほどハンドルを回すとクリア。このイベントの恐ろしさは難易度ではなく、資金が足りなかったのか、アイデア枯渇を恥ずかしいと感じなかったのか、異様なほど頻繁に出てくる点だ。ただでさえ終始単調なハックアンドスラッシュの抑揚になるべきイベントすらも単調だというのにびっくりするほど大きなため息がでてくる。気の合った友人とのCo-opでも笑い飛ばせるか疑問だ

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Mirror’s Edge Catalyst – やや万人向きになった

点数にすると74点くらい。甘くつけても83点ほどだろう。FPSという完成されたシステムを採用しているゲームには最低限の面白さが保障されており、それと近い話で、本作Mirror’s Edge Catalystは基礎的な部分が非常に高いレベルでまとまっていた一人称視点型パルクールアクションMirror’s Edge(2008)のシステムを大まかに継承しているため、それ相応に最低限の面白さがある。面白さとはもちろん主人公Faithが己の肉体ひとつで走り、跳び、登り、滑るパルクールアクションのシステム周りのことだ。

オープンワールド化した本作とステージクリア型の初代との最大の違いはFaithの自動制御だと私は考えている。今回のFaithはAT車だと言えば分かりやすいか、自動的にアクション動作を補助されているような感じで、重心を制御する必要が無い。その分だけ気軽に遊べるのだが、初代に比べて動かしていての面白みや達成感は減っている。この操作の簡略化は広くなったMapを移動する分だけプレイヤーの負担を減らすという意味で正しい作りだ。常時MT車での運転はよほどの車好きでないと疲れるだろう。ATとMTほどの差は無いにしろ、この変更は小さいようで小さくない。とは言うものの、Mirror’s Edge Catalystはあくまでパラレルワールドであり”Mirror’s Edge 2ではない”のだから、本作と初代の両方に触れてみて、プレイヤー自身が気に入ったほうを長く遊べばいいのではないだろうか。グラフィックもちょうど狙っているのかいないのか上位互換になっていないのも興味深い。Frostbiteで描かれたCatalystの世界は細かく美しいながらも、初代も初代で無機質と原色で統一された世界(+高度な物理演算)があるのだ。繰り返しになるが「お好きなほうをどうぞ」。

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◆街中を高速で駆け回るスピード感が爽快なMirror’s Edge。プレイヤーの操作習熟度がそのまま移動速度に直結し、実感できるところも良くできていて、アクション(レース)ゲームとして高く評価できる

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◆初代とは真逆な驚異的な細かい作りこみのディストピア的な雰囲気のサーバールーム。ただただ「いいもの見たなぁ・・・」と感じた

以下、初代ファンの戯言 続きを読む