Adventure一覧

Amnesia: The Dark Descent – 納涼目的で始めたが

厳しい残暑を乗り切るため、積んでいたホラーアドヴェンチャーの本作をクリアまで。軽い気持ちで触り始めたが、漠然と考えていた以上に興味深く、ユーザーフレンドリーな作りでストレスも溜まらないため、夢中で遊んでしまった。凝った感想はない。目の前の問題を解決しながら、散らばった物語を紡いでいく作業がただ楽しかったというだけだ。不満というほどではないが、非武装の主人公が武器を持った敵から逃げるアクションパートだけはもう少し難しくしても良いかと感じた。しかし開発側からすると物語に集中してほしいのだろう。ホラーの方向性は前作Penumbra: Black Plagueの方が好みであったが、ビデオゲーム全体の完成度は本作Amnesiaの方が圧倒的に高い。久しぶりに当たりを引いたように思う。より楽しめるよう日本語化してくれた有志の方々にも感謝。

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L.A. Noire – 楽しさと退屈さが入り混じる

本作はモーションスキャン技術にて役者の表情の取り込みに成功した、極めて優れた表情描画システムを搭載したとのことだったので、てっきり刑事コロンボのように犯人の顔色を伺いながらネチネチと追い詰めていくゲームかと期待していたのだが、実際はポイント・アンド・クリック型のアドヴェンチャーゲーム的な要素が大きく、論理や推理があまり重視されていないように感じた。どちらかと言えば、「こんな感じかな?」といった風に雑に事件を”想像”して詰問していくのが上手くいくというか、最後まで付き合える遊び方のように思う。尋問についてだが、主人公フェルプスの問い詰め方が元々なのか翻訳の問題か、私の推理力不足か、どうも問い詰めの言葉と反証する証拠が噛み合っていない場面があり、なんだかもやもやする。冒頭に述べた表情描画だが、犯人や容疑者を問いただすと、急に彼らの目が泳ぎだしたり、やたら落ち着きが無くなったりと、憧れの刑事ドラマに参加しているように感じられ、とても素晴らしい出来であった。だが、ゲーム性には結びついていそうでいて、その実はあまり結びついていない印象もあり、嬉しさと残念さが入り混じる。

米国版毛利小五郎?

トンチンカンな質問をして犯人をキレさせる、優れた腕っぷしにより容疑者の確保は上手い、迷推理を披露しまくり信頼を落としても視界が暗くなる度に(Loading画面)いつの間にか周囲が優秀な捜査官だと褒め称えてくれるようになる。以上の三点から本作は国民的アニメになりつつある名探偵コナンに登場する『毛利小五郎』を擬似的に体験できるゲームだと考えたい。本作は主人公が極めて優秀な捜査官であるといったシナリオに沿って進行するため、プレイヤーがどんな迷推理で周囲を失笑させても、章をまたぐ度に開発側の都合により推理ミスを犯していない優秀な捜査官へと不自然にリセットされるのである。確かに選択肢別に物語を作るとなると膨大な作業量となり開発がKaroshiするのは目に見えているが、だからと言って常にスーパー捜査官で強引に通すのもプレイヤーを混乱させてしまうだろう。よって日本人限定にはなってしまうものの、Loading画面中に主人公のおっさんが腕時計型麻酔銃を首に撃ち込まれるアニメーションと共に、『”眠りのコール・フェルプス”が事件を大解決!』という一文を表示させれば、極めて自然な形でゲームの設定や進行に疑問を持たなくなるのではないだろうか。

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◆スクリーンショットでは伝わらないかもしれないが、実際のゲーム内で相手の表情や態度を見てみると、すぐさま怪しいというのが分かる。このような肉体的な動きは社会的地位に比例し、上の方にいくほど表情や思惑が読み取りづらくなる

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◆ベンチで新聞を開く尾行シーン。見事なほどコッテコテのベッタベタ

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Turok: Dinosaur Hunter – 先住民よりスパイ派

ざっくりと言ってしまえば本作はTomb RaiderとQuakeを足して割ったようなゲームだ。システムは各ステージに散らばった時空石なるものを集めることにより次のステージへと進める仕組みになっているので、戦闘を行いつつもアイテム探しを行うことになる。触ってみれば分かるが、Tomb Raiderとは違い、戦闘と探索のパートが分かれているのではなく、混ざっているため、戦闘に意識が向いていると、隠された時空石を見逃しやすい。よって大抵のプレイヤーは敵を全滅させた後にハブエリアに戻り、再度ステージをやり直し、ゆっくりとアイテム探しを行うことになるだろう。この流れが最初から最後まで続くため、単純なゲームだと言える。

補足すると、アイテム探し要素が強い序盤に比べ、中盤からプレイヤーの火力が大きく向上するため、アクションゲーマー的な感性からすると、溜まっていたフラストレーションがどんどんと和らいでいくのが心地よい。終盤までいくと、QuakeというよりかもはやQuake2といった段階まで進んでいしまい、スピード感溢れるクラシックなプレイ感覚の中、爆発物とショットガンとマシンガンで敵を蹴散らしていく感じがなんとも癒される。思うに、アイテム探しの面倒臭さが実は平凡な戦闘を面白く感じるようにさせるスパイスの役目を果たしているのではないだろうか。客観的に思い返してみて、本作は古代調、武器、Map、ジャンプアクションなど、どの要素も一長一短でうまくいっているのかいっていないのか、よく分からない。分からないが、それでも遊んでいくうちにだんだんと楽しくなっていくので不思議だ。

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◆弓(強化弾)。情報を仕入れずに購入したため、原始的な武器ばかりで進んでいくのかと思っていたが、実際は現代的な銃の他のSF的なものも登場するため、何でもありで賑やかだ。下手に統一するよりもずっと良い

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◆「I Am Turok!」死亡後に残機を使い復活する際、何故か気合を入れて自己紹介し始める主人公のインディアン

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Papers, Please – 金が心に余裕を生む

話題になった作品ということで軽く遊んでみた。詳細は4Gamerを見てほしい。ゲーム部分だけを見れば”減点方式の間違え探し”なので、始めの2時間ほどしか楽しめないように思う。がしかし、楽しくないからといって雑にプレイすると減点を受けてしまい、ボディーブローのようなジワジワしたダメージが蓄積し、最終的にクリアの可否へとつながってくるのが辛いところだ。逆に間違いが無いように時間をかけるのも、それはそれで間違い探しの数をさばけないわけで、成績が悪くなる。つまり”楽しくないけれど複雑な作業を迅速に間違えないように行う”という、面倒なゲームなのである。プレイヤーの性格が大きく難易度に絡むのではないだろうか。

実は本作の面白さというのはゲーム部分ではなく、何故共産主義国で賄賂が横行するのかが体感(理解)できるという点だ。たまたま抽選で入国審査官になった主人公は家族を養う立場にあるわけだが、給料は低く(国民平均よりは高いと思われるが)、家計は常に火の車状態。そのうえ操作するのが注意力3万の私だと、赤字の月もある。これでは月々の住居費に食費と暖房を払い生きていくのがやっと…というか、それすらもだんだん払えなくなっていくので体力の無い子供は病気にかかりがち。病気になれば当然薬が必要となりお金がさらにかさむため、同居している叔父と叔母を切り捨てるに我慢してもらうほか無い。そんな路頭に迷いそうな状況下でテロリストが甘く声をかけてくる時が本作の山場となっている。軽~く手を貸すだけで多額の謝礼を渡してくれる彼らの誘惑に対して、国家と家族を天秤にかけながらゲームを進めていくのである。そんなひどく重く、苦しく、面倒で、味わい深い時間が本作最大の魅力だ。…っと、ここまでは難易度Normalの話。Easyに落とすと謎の固定給が加わるので、お金に相当の余裕がでてくる。そうなると人間不思議なもので、正しい判断ができるようになるのか、テロリストなんぞの企みに手を貸すのが馬鹿馬鹿しくてしょうがなくなる。お堅い役人まっしぐらだ。まともな給金さえ貰えれば、頭のおかしな国家に忠誠を誓うのもそれほど悪くない?

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◆本人とパスポートの写真が違う。このようなバレバレの偽装も、冷静な時には軽く往なせるのだが、業務が変更されチェック項目が増えたり、ミスが重なりテンパってくると見逃しがちに

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◆やっぱり共産主義はダメだと思うの(自分のゲームの腕を棚に上げながら)


Analogue: A Hate Story – 田嶋先生は結構好き

漂う無人宇宙船のログファイルを回収し、そのログから謎を読み解いていくSF風味のADV。キーワードは男尊女卑。ゲーム内では未来ということになっているが、主に中世から近世の朝鮮王朝を想像すれば良い。それ以上に詳しく知りたい場合は窓の杜SteamCommunityのレビューを見てほしい。ログファイル(テキスト)は男尊女卑を主軸にしたメロドラマ的な内容となっており、朝鮮半島の歴史について多少の知識でもあれば、「まぁこういうこともよくあったんだろうなぁ」という感じで、あまり新鮮味は無い。ただ、このゲームが他のADVと違うところは各ログファイルについて美少女AIに意見を聞ける点だ。特に生々しい情事のログについて「ねぇこれどう思う?これどう思う??」と年頃の娘(風のAI)に聞く、このセクハラ行為自体がまさに女性蔑視ではないかという高次な視点に気が付くことにより、趣が…あ、いや罪深いADVと言えるのかもしれない。

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◆チマチョゴリが似合うAI※ミュート。彼女の価値観はログファイルの世界観と一致しているため、物語を考えるうえで余計な作業が増えない。いわゆるAIとして期待されるべき仕事をしてくれる。逆にもう一人のAI※ヒョネは価値観が現代的であるため(=男尊女卑はおかしい)、物語への没入が大きく阻害される。この二人のAIの価値観の違いがゲームの面白さの一端を担っているわけだが、※ヒョネに案内される序盤は断片的な物語を繋ぎ合わせるのにリソースを大きく割くため、シングルタスク脳には辛い