Mirror’s Edge Catalyst – やや万人向きになった

点数にすると74点くらい。甘くつけても83点ほどだろう。FPSという完成されたシステムを採用しているゲームには最低限の面白さが保障されており、それと近い話で、本作Mirror’s Edge Catalystは基礎的な部分が非常に高いレベルでまとまっていた一人称視点型パルクールアクションMirror’s Edge(2008)のシステムを大まかに継承しているため、それ相応に最低限の面白さがある。面白さとはもちろん主人公Faithが己の肉体ひとつで走り、跳び、登り、滑るパルクールアクションのシステム周りのことだ。

オープンワールド化した本作とステージクリア型の初代との最大の違いはFaithの自動制御だと私は考えている。今回のFaithはAT車だと言えば分かりやすいか、自動的にアクション動作を補助されているような感じで、重心を制御する必要が無い。その分だけ気軽に遊べるのだが、初代に比べて動かしていての面白みや達成感は減っている。この操作の簡略化は広くなったMapを移動する分だけプレイヤーの負担を減らすという意味で正しい作りだ。常時MT車での運転はよほどの車好きでないと疲れるだろう。ATとMTほどの差は無いにしろ、この変更は小さいようで小さくない。とは言うものの、Mirror’s Edge Catalystはあくまでパラレルワールドであり”Mirror’s Edge 2ではない”のだから、本作と初代の両方に触れてみて、プレイヤー自身が気に入ったほうを長く遊べばいいのではないだろうか。グラフィックもちょうど狙っているのかいないのか上位互換になっていないのも興味深い。Frostbiteで描かれたCatalystの世界は細かく美しいながらも、初代も初代で無機質と原色で統一された世界(+高度な物理演算)があるのだ。繰り返しになるが「お好きなほうをどうぞ」。

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◆街中を高速で駆け回るスピード感が爽快なMirror’s Edge。プレイヤーの操作習熟度がそのまま移動速度に直結し、実感できるところも良くできていて、アクション(レース)ゲームとして高く評価できる

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◆初代とは真逆な驚異的な細かい作りこみのディストピア的な雰囲気のサーバールーム。ただただ「いいもの見たなぁ・・・」と感じた

以下、初代ファンの戯言 続きを読む