10 Sectors – 言いたいだけ(41)

10 Sectors(2000)はSectorを10個に制限して作ってあるのが特徴のMegawadです。そのSectorというやつなんですが、Doomの擬似3D空間を描画するのに必要なVertex(頂点)、LineDef(線)、SideDefなどで設定した基本的な構築物(主に壁)がどのように連結しているかを伝えるものです。極端に言えば、こいつが無いとWolfenstein 3Dと同様に天井の高さが一定の平面な空間となってしまうでしょう。もちろん、これはSectorの仕事のほんの一部であり、酸性の床やエレベーターなどいろいろな部分で使われています。この説明でピンときたかもしれませんが、実はこのWAD”Sectorが10個に制限されている”のが如何に大変かを理解していないと真の価値が分からないのです。つまりMap作成経験のある人向けということ。ゆえに、その経験の無い私ではどこがどのように優れているかわかりませんので先に謝っておきます。DOOMすいません。

言いたいことが言えたので話をひっくり返しますが、とりわけ特別な知識がなくてもシンプルで結構楽しめるWADでした。近年…というか、DOOM発売から10年経った2004年あたりからのWADは異常に複雑で、10年選手ではない私には楽しめないものが多いのです。その点10 SectorsはDOOM1のカスタムMAPのような感じで、全体的にあっさりして遊びやすかったです。点数をつけるとしたら77点くらいでしょうか。まぁまぁお勧めできます。

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◆制限のせいか、だだっ広いところや狭く区切られたところが多い

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◆狭い場所でサイバーデーモンの同士討ちを強制される。コミュニティの公募から32レベルを選んだということで、激しいMapperのものも混ざっている

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Fable: The Lost Chapters – ゆっくりと遊ぶもの

本作はプレイヤーの選択によりスキルや容姿モラルなどが決まり、善となるか悪となるか、そして少年から壮年へとどのような人生を送るのか…といった主人公キャラクターの成長が楽しめるRPGだ。それ以上の詳しいことはGame Watchの解説を見てほしい。なんとなく自由度が高く、選択肢の多い、楽しそうなゲームに思えるだろう。しかし、これらはあくまでゲームの世界観が気に入ったプレイヤーにしかプラスとならない。というのも悪人になってもゲーム内の進行に関してはさほど有利にならないからだ。例えばFallout3ならば武器屋を襲撃することで大量の武器とお金が得られるので、悪行を行うだけの価値があるわけだが、本作では誰かを襲っても大きな利点がない。というか、『光の鎧』と『闇の鎧』といった瓜二つの防具があっても性能差が無かったりと、意図的に善人と悪人プレイングの差が埋められている。つまり、メリットばかりを追い求めていたら、いつの間にか悪人になっていたということは状況は無く、”利点が無くとも悪行を積み重ねていく”といった明確な意思が必要なのだ。これこそが本当のロールプレイと言えるのかもしれないが、穿った見方をすると開発側による強制とも言える。

ゲームの作りを見れば、ここがFableの最もよく出来ている点であり、世界観の気に入ったプレイヤーを楽しませる大元の仕掛けでもあるのだが、全力でラスボスをぶっ飛ばしにいくプレイスタイルだと、悪人になることの利点が無いため、とりあえず一般人の味方をし、悪いやつを倒し、善人=英雄として世界を救うことになるだろう。購入にいたったのは、主人公が年齢を重ねることと、評判が良いという二点であったが、あまり楽しめなかった。一応はRPG世界における英雄を皮肉ったブラックユーモアなどは理解したつもりであるが、やはり街なかをブラブラするのが好きでないと100%は楽しめないようだ。

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◆命乞いをする相手にトドメを刺すか、助けるかの分かりやすい二択

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◆思ったよりもアクションが重視されていたが、多分出来は良くない。回復剤がいつでもいくらでも使えるため、難易度が高いわけではないが、ガードの成功に利点がなく、敵の回り込むような動きと一度に出現する数が多いため、面倒な作業といった感じ。やたらと取得可能なスキルが多いので、全てを試したわけではないが巨体化のスキルは強かった

Call of Juarez: Gunslinger – 頭撃ってハッピー(3)

好きではあるが西部劇やその時代背景には詳しくないため、その手の話は他のレビュアーに任せて、いつも通りアクションゲームとしての感想を書く。最初に感じたのは非常に”まとも”であることだ。前作The Cartelを触れてみれば分かると思うが、アレはうんこにゲロをトッピングしたような凄まじく酷い代物で、Dead Islandの片手間に作っていたとか、有能な人間が去ってしまったとか、CoJシリーズの未来を大きく心配させられたものだ。しかし、本作を触ってみると、それは思い過ごしであったことに気付く。やはり彼らTechlandは出来る子だったのだ。最重要部分である銃を撃った感触もBound in Blood時代に戻ったようで、とても良い感じ。そのBiBでは弾がまっすぐに飛びすぎることにやや味気無い印象であったが、今作ではスコア制が導入され、弾がまっすぐ飛ぶことに対して前向きな感情を与えることに成功している。さらにストーリーも軽めのものに変更されていて、スコア制との調和もうまくいっているように思う。率直に言ってゲーム作りが大変上手だ。

  • 大作ではないが、優秀なシューターに間違いはなく、値段分は絶対に損しない
  • 嬉しい日本語字幕だが、戦闘中にも会話がドンドン進むため、シングルタスク脳には辛い
  • マウスだとライフル銃が最も安定して強く得点稼げるので、近接銃器が息抜き程度の存在
  • QTEが存在するものの低難易度かつ、ペナルティも少ないためストレスは少ない
  • リロード時間が早くなったのはゲーム的には良いが、雰囲気的にはマイナス

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◆相手のガトリング砲から身を隠している場面。見えづらいかもしれないが正面に石があり、それが転がっている図。実はこの石、ガトリング砲が当たって岩石から削れたもので、それが物理演算されながら転がっている。いやーすごいChrome Engine 5すごい。フレームレートがやや不安定なのも、こういう地味な場所にパワーを使っているからなんだろうなぁ。物理演算だけでなく、単純な見栄えや色合いもゲーム特化といった感じで好印象だ

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◆ダサ格好良い!?強敵と戦う前のカットインは大体こんな感じ

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Dogfight 1942 – 安定のCI Gamesクオリティ

開始30分でエースパイロット気分を味わえるカジュアルなドッグファイト(フライトシューティング)。…というのが最大の売り。それ以外となると申し訳程度に付いているキルカメラくらいか。本作は直感的な操作が可能かつ目の前の敵を倒すだけといった単純で単調なゲームなので、味わい深い楽しみや挑戦を求めているプレイヤーには向かない。だが裏を返せば、戦闘前の離陸にすら練習が必要なシミュレーター的な作品よりもずっと”手に取りやすい”と言えよう。よって、この手のゲームに興味があったり、ステップアップの意味も兼ねて簡単操作で雰囲気を味わうというのも悪くない。また、寝る前に少し起動し、枢軸軍を蹴散らして良い気分のまま寝るといった安眠装置としても優秀だ。とにかく簡単にヒーローになれるのが良い。不思議と戦闘機で敵機をやっつけると他のジャンルよりもヒーローになった感が強い。

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DAIKATANA – 主に戦闘について(2)

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ノルウェーあたりまで来るとサイドキック(味方NPC)を開始場所に放置し(Stay命令)、プレイヤーが敵を殲滅し安全を作ってからサイドキックを連れてゴールに向かうといった、本作の基本的な概念を根本から否定するような異常行動に対して、何の疑問を持たなくなってくるので、”やや面倒で質の悪いアクションシューター”という評価に落ち着くだろう。もしもバカ正直にサイドキックと共にゲームを攻略してクリアまでいったとすると、ディスプレイかキーボードかマウスか壁かプレイヤー本人のどれかが壊れている状態のように思う。

Episode2にあたるギリシャ編はとても楽しめた。他の要素はさておき大刀をブンブン振り回せたからだ。例えそれが質の悪いアクションゲームだとしても、PCゲーム「大刀」の強い個性であることに間違いはなく、バッサバッサ敵を切りつけていくうちに大刀のレベル(威力)が上がっていく様もなかなかビデオゲーム的な満足感を感じる。結構な数のゲームにおける”打撃の威力向上”というのは、意外と数値の大小であることが多く、頭で理解させられることが多いが、本作では刀自身からオーラが吹き出てきたり、ぶった切った敵から血が派手に飛び散るような視覚的な褒美があり、直感的に成長を感じ取りやすい。ここは素直に褒めるべき点だ。しかしEpisode3のノルウェーまでくると大刀の出番が大きく減ってしまう。個人的にはどうも中途半端な印象であるが、客観的には銃器と大刀をバランスよく使い分けでことで戦闘を有利に進められるようになっているので、それなりによく出来ているのだろう。これが最後のサンフランシスコになると、大刀の出番がさらに減る上に近代的で没個性な武器ばかりが登場して、よくあるB級C級FPSになってしまうのがとても残念だった。出番が減るというのは少し違うか、銃器を使うほうが圧倒的に被弾を減らせる。面白いか面白くないかで言えば、その手の安っぽいゲームが大好物なのでまぁまぁ面白く感じたが、最後のEpisodeにしてはあっさりしすぎて、なにやらモヤモヤしたものが残る。やはり面倒な京都とEpisodeの順序を入れ替えて右肩上がりの難易度上昇にするか、よりアクの強いデザインで悪い方に突き抜けた方が良かったのではないだろうか。

DAIKATANA
完全日本語版
GameplayGraphicsWeaponSidekick
京都386258評価不可(開始から放置)
ギリシャ727768評価不可(開始から放置)
ノルウェー576465評価不可(開始から放置)
サンフランシスコ474740評価不可(開始から放置)

高度なAIとの共闘はどうなる

この度DAIKATANAに触れてみて、HL2EP1(2006)のアリックスと同レベルのAIであれば、ロメロの構想していたゲームが制作可能だったのではないかと感じた。Mapの狭さが技術的な問題でなく、意図したものであるとすれば、おおまかな雰囲気としてUT2003が最も近いように思う。つまり技術が追いついた今こそ、作り直してみれば結構イケるんじゃね?といった考えに繋がるのだが、ここ15年で味方NPCと行動して面白かったFPSがあったかを思い出そうにも、意外と無かったように思う。もちろんアクセントとして一時間程度いっしょに行動するだけならば、そのどれもがそれなりに面白いわけだが、10時間以上の長丁場で通用するかというとかなり怪しい。

また、味方NPCの調整自体も難しく、強くしすぎるとプレイヤーの意欲を減らすだろうし、弱くしすぎるとお荷物にしか感じないだろうし、同じくらいの力量にするとなんだか気持ち悪く感じるように思う。今言った事柄と私の想像力とFPS業界の歩みを考慮すると、どうもAIのお供が付いた長編FPSは面白いゲームになる気がしない。だがしかし、ロメロとDAIKATANAを否定しているわけではない。96年辺りに「こういうのが面白いんじゃないだろうか」と考えついた彼を敬服するし、むしろ現在よりもさらにAIが進化し、ゲー ムをうまく盛り上げるような自動学習機能の付いた人間くさい”ゲーム専用の人工知能”さえ完成すれば、アドリブ行動も増えるだろうし、プレイヤーの動きを分析し適切なサポートしてくれたりと、なんだか結構楽しくなりそうな気がする。ただ、そこまでAIが発達するとFPS以外のジャンルの方が伸びていきそうではある。

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◆当たり判定がひねくれ者の大刀。人型の相手には強いが、地を這う小動物や空飛ぶ化物は苦手。空中にいる相手には銃器が非常に当てづらいため、弾薬の節約をかねて「当たってくれー」と念を込めて振り回していた。爽快さと無縁

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◆あらゆる意味でプレイヤーの足を引っ張ってくれる問題児Mikiko。同様の場所でゴリマッチョ体型のスーパーフライよりもスタックする彼女を見ていると…こう、血の巡りが良くなる

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